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なぜ遺言を残すことが必要なの?

遺言を書くかどうかはもちろん自由です。全ての人が遺言を書く必要があるわけではありません。
ただ、いくつかの誤解によって遺言を書かないのであれば、その誤解は解く必要があります。

1.自分には大した資産がないという誤解
遺言とはお金持ちが書くものであって、自分は遺言を遺すほどの資産もないし、自分が亡くなってもたいしたもめごとは 起きないだろう、と考えるのは遺言制度の誤解です。なにも金持ちのために遺言の制度があるわけではありません。
一定程度の預金や不動産があれば、後日の共同相続人間の紛争を防止するために、遺言は有効な手段となります。
2.遺産でもめることはないだろうという誤解
親戚との関係はうまくいっているし、遺産で将来もめることはないだろう、というのはあくまで現時点でのことですし、また楽観的すぎるきらいがあります。ちょっとでも心配ならせめて一度専門家に相談してみてもよいのではないでしょうか。

事業と遺言

会社や事業をやっている方は、その事業をどうやってうまく承継させるかが大きな 課題になります。このとき、遺言により 特定の相続人に株式や事業用資産を承継させる、ということが方法として考えられます。

(ほかにも、例えば、複数の相続人が株式を 相続すると、会社経営に関しはなしがまとまらず、事業が立ち行かないという事態に備えて、会社の定款に、特定の相続人が株式を相続した際に、その者に対して、株式を会社に売り渡すことを請求することができる定めを置いておくことなどが考えられます(会社法第174条)。)

遺言の種類

遺言には3種類のものがあります。
公正証書遺言、自筆証書遺言、秘密証書遺言の3つです。

このうち、もっともよく利用されるのが公正証書遺言です。公正証書遺言は公証人が作成し、作成後厳重に保管されるので 信頼性が高く安心だからです。以下、それぞれの特徴と利点を見てみましょう。

公正証書遺言

公正証書遺言の特徴は、ズバリ安全安心というものです。
公証役場の公証人が作成保管しますので、他人にその内容を知られるおそれが無く、また、紛失や改ざんのおそれもありません。

また、公正証書遺言には証人二人以上の立ち会いが求められますが、司法書士等の法律専門家に任せればその点も安心です。

公正証書遺言のデメリットとしては、公証役場に一定の報酬金を支払わなければならないということがあります。ただ、考えようによっては、いっときの金銭負担を嫌って後日の紛争に巻き込まれるよりは、いま専門家に任せてしまえば、それ以降は余計な心配をしなくてよいので、これがもっともおすすめの方法です。

自筆証書遺言

自筆証書遺言は、自分で遺言書を書面に書き残すというものです。

厳格な要件があり、遺言の内容となる文章、日付、氏名、押印が必要です。文章はボールペンや万年筆で書きます。 パソコンのワードやワープロではダメです。押印は実印(役所への登録印)で押した方がなおよいでしょう。

なお、最近よく本屋でエンディングノートというものを見かけますが、これは遺言とは別物です。エンディングノートを 遺言の効力があるものと思い込み、書き残したが、上述した要件を満たしていない、したがって遺言として無効ということは 考えられます。

自筆証書遺言のメリットとしては、費用がかからないということが挙げられます。公正証書遺言の場合は公証役場に 支払う費用、証人に支払う費用などが要りますが、自筆証書遺言の場合、ペンと紙さえあればよいのです。

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